産業機械メーカー(約 120 名)── 感謝が回る「サンキューポイント」を、承認レスの制度として設計
ストレスチェックで「同僚からの支援」の実感が低い──この結果を出発点に、従業員同士が感謝を贈り合うポイント制度を設計。都度承認を廃止して「自動受理 + 事後監査」に振り切り、運用の重さで枯れない制度にしました。
困っていたこと
従業員約 120 名の産業機械メーカー。ストレスチェックの結果、「同僚からの支援」の実感が低いことが分かりました。仕事はまわっている。しかし、助け合いが目に見える形になっておらず、感謝が個人の中で消えていく──組織の風土に関わる課題でした。
やったこと
従業員同士が感謝を贈り合うサンキューポイント制度を設計しました。1 ポイント 300 円相当、毎月 3 ポイントが自動付与され、贈ることしかできない(自分のためには使えない)設計です。受け取ったポイントは 3 年有効で、現金に換えるのではなく経費利用の権限として使える──社内に「小さな経済循環」をつくるコンセプトです。
制度設計で最も議論したのは承認フローでした。感謝のたびに上長承認を挟むと、制度は確実に使われなくなります。そこで都度承認を廃止し、「自動受理 + 事後監査」に振り切りました。3,000 円以下・月 3 回までは自動受理、無作為抽出 20% と 2,000 円超の全件を事後監査する──性善説で走らせて、統制は後ろで効かせる設計です。
変わったこと
制度は 2028 年ビジョンの文書に、こう位置づけられました。「『学習する組織』の芽は、日々の会話に宿る」。
感謝を制度にする試みは、多くの会社で「申請が面倒」の一点で枯れていきます。この設計は運用の重さを制度側で先に潰したところに特徴があります。ポイントの原資や監査の負荷まで含めて数字で設計してあるため、経営は安心して性善説に立てます。
事例は社名を伏せ、業種と規模のみで掲載しています。実際の伴走支援の記録に基づきます。